2026.08.05基礎知識
フルリノベーション費用はいくら?戸建てとマンションの相場を解説

中古物件を購入して自分の好みに合わせて全面的に改修するフルリノベーションは、理想の住まいを手に入れるための有効な選択肢です。
しかし、いざ計画を始めようとすると、どれくらいの予算が必要になるのか見当がつかず、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、フルリノベーションにかかる費用の相場を戸建てとマンションに分けて詳しく解説していきます。
費用を左右するポイントや予算を抑えるための具体的なコツ、計画の進め方も合わせて紹介します。
読み終えていただければ、ご自身の希望するリノベーションに必要な資金の目安が把握でき、具体的な計画に向けて安心して一歩を踏み出せるようになります。
フルリノベーション費用はいくら?戸建てとマンションの相場を解説

フルリノベーションを検討する際、多くの方が気になるのが費用の相場です。
フルリノベーションとは、建物の骨組みだけを残して内装や設備をすべて解体し、一から作り直す大規模な改修工事です。間取りの変更や水回りの移動など、自由度の高い設計が可能になるのが大きな特徴です。
しかし、建物の種類によって工事の範囲や難易度が異なるため、費用の目安も大きく変わってきます。ここでは、戸建てとマンションそれぞれの一般的な費用相場について詳しく見ていきましょう。
| 住宅の種類 | フルリノベーション費用の一般的な目安 | 面積あたりの単価目安 | 工事の主な特徴と注意点 |
| マンション | 600万円から1,500万円程度 | 1平米あたり10万円から20万円程度 (設計・施工会社や仕様により15万〜25万円程度まで変動) | 専有部分のみの工事となるため戸建てより費用を抑えやすい傾向があります |
| 戸建て | 1,000万円から2,000万円程度 | 1平米あたり10万円から22万円程度 | 外壁や屋根の修繕などが含まれるため費用が高くなりやすいです |
マンションのフルリノベーション費用相場と平米単価の目安
マンションのフルリノベーションにかかる費用は、一般的に600万円から1,500万円程度が相場とされています。面積あたりの単価で計算すると、1平米あたり10万円から20万円程度を見込んでおくと安心です。たとえば、専有面積が60平米のマンションであれば、600万円から1,500万円程度が一つの目安となります。
マンションの場合は、工事ができる範囲が専有部分に限られます。窓枠や玄関ドア、バルコニーなどの共用部分は勝手に変更できないため、あらかじめ管理規約を確認しておくことが重要です。
また、水回りの移動についても、マンションの構造によって排水管の勾配が取れない場合は制限を受けることがあります。フルリノベーションの費用は広さに比例して増える傾向があり、設備のグレードや間取り変更の規模によっても金額が大きく変動するとされています。
戸建てのフルリノベーション費用相場と坪単価の目安
戸建てのフルリノベーションにかかる費用は、マンションよりも高額になる傾向があり、1,000万円から2,000万円程度が一般的な相場です。面積あたりの単価に換算すると、1平米あたり10万円から22万円程度、坪単価では約33万円から73万円程度が目安となります。
戸建てのリノベーション費用が高くなりやすい理由は、内装だけでなく外装の工事も必要になるケースが多いためです。屋根や外壁の塗装、修繕には足場を組む必要があり、それだけでまとまった費用がかかります。さらに、耐震補強や断熱材の追加など、建物の性能を向上させるための工事が加わると、予算が増加することも珍しくありません。
マンションのように共用部分の制限がないため自由度は高い反面、建物の基礎や構造全体を見直す必要があるため、余裕を持った資金計画が求められます。
フルリノベーションの費用を左右する3つの重要ポイント

フルリノベーションの費用は、物件の条件や工事の内容によって大きく変動します。相場を知るだけでなく、どのような要素が費用に影響を与えるのかを理解しておくことが、精度の高い予算計画を立てるための鍵です。
建物の広さはもちろんのこと、築年数や既存の建物の状態、そしてどこまで解体して作り直すのかといった判断が、最終的な見積もり金額を大きく左右します。ここでは、費用に影響を与える主な要素について解説します。
| 費用を左右するポイント | 費用の変動への影響と具体的な理由 | 予算計画を立てる際のアドバイス |
| 建物の広さや施工面積 | 面積が広いほど材料費や人件費が増加するため総額が高くなります | 不要な部屋はリノベーション対象から外すなどの工夫を検討します |
| 築年数と構造体の状態 | 築年数が古いと耐震補強や配管交換などの見えない部分に費用がかかります | 物件購入前に専門家による建物調査を実施して状態を把握しておきます |
| 工事の範囲と解体規模 | 骨組みまで解体するスケルトン工事は廃材処分費や工期が増加し高額になります | 既存の壁や床を活かせる表層リノベーションを選択肢に含めて比較します |
建物の広さや施工面積による費用の変動
フルリノベーションの費用は、施工する面積にほぼ比例して高くなっていきます。床や壁、天井の面積が広くなれば、それだけ必要な材料の量が増え、職人の作業時間も長くなるためです。
特に、無垢材のフローリングや輸入壁紙など、単価の高い素材を選ぶと、面積の広さが費用の増加に直結します。また、広い家では照明器具や空調設備の数も多くなるため、電気工事や設備機器の購入費用も膨らみがちです。
予算に限りがある場合は、リノベーション対象とする面積自体を絞り込むことも検討してみてください。広さに応じてどこまで改修するかをゾーニングすることで、満足度を保ちながら予算を抑えることができます。
築年数と構造体の劣化状況による影響
建物の築年数と構造体の状態は、見積もり金額を大きく左右する重要な要素です。
築年数が古い物件は、購入価格を抑えやすいというメリットがある一方で、目に見えない部分の修繕に多額の費用がかかる可能性があります。
たとえば、壁を剥がしてみたら柱がシロアリの被害に遭っていたり、見えない部分で水漏れが起きていたりするケースがあります。
また、築年数が30年を超えるような物件では、配管の寿命が来ているケースが多く、すべての配管を新しく引き直す工事が必要になる場合があります。
戸建ての場合、旧耐震基準で建てられている物件では耐震補強工事が必要となることもあり、予期せぬ追加費用が発生する点に留意が必要です。
あらかじめ専門家による住宅診断を実施しておくと、隠れた劣化状況を把握しやすくなり、正確な予算を立てる手助けとなります。
スケルトンリノベーションと表層リノベーションの違い
リノベーションの工事範囲をどこまで広げるかによっても、費用は大きく変わります。
建物の内装をすべて解体し、コンクリートの打ちっぱなしや木の骨組みだけの状態にする工事をスケルトンリノベーションと呼びます。スケルトン状態にすることで、間取りを根本から変更したり、配管をすべて新しくしたりすることが可能になります。
しかし、大規模な解体作業とそれに伴う廃材の処分費用が発生するため、工事の総額は高額になりやすいです。
一方、既存の壁や間取りをできるだけ残し、表面の壁紙や床材、キッチンなどの水回り設備だけを新しくする工事は表層リノベーションと呼ばれます。間取りに大きな不満がなく、予算を抑えたい場合は、スケルトン状態にせず既存の構造を活かす方法を検討するのも有効な選択です。
フルリノベーションの費用を予算内に抑える具体的なコツ
理想の住まいを追求するあまり、見積もりが予算を大幅にオーバーしてしまうのはよくあることです。
しかし、いくつかのポイントを押さえて計画を見直すことで、満足度を下げずに費用を抑えることは十分に可能です。
予算コントロールの基本は、希望する条件すべてにお金をかけるのではなく、お金をかける部分と節約する部分のメリハリをつけることです。
ここでは、フルリノベーションの費用を賢く抑えるための具体的なコツを順番にご紹介します。
| 費用を抑えるための具体的な工夫 | 期待できる効果とメリット | 実践する際の注意点やアドバイス |
| 工事内容に優先順位をつける | 限られた予算を本当に必要な部分に集中させることができます | 家族全員で話し合い絶対に譲れない条件を明確にしておきます |
| 設備や内装材のグレードを見直す | 高価なハイグレード品から標準品に変更することで大幅なコストダウンが見込めます | ショールームで実物を確認し機能面で妥協できる範囲を見極めます |
| 補助金や減税制度を活用する | 国や自治体の制度を利用することで現金での還元や税負担の軽減を受けられます | 制度ごとに申請期限や対象となる工事の条件が異なるため事前に確認します |
工事内容に優先順位をつけてメリハリを持たせる方法
費用を抑えるための第一歩は、リノベーションで実現したい要望に明確な優先順位をつけることです。
アイランドキッチンにしたい、無垢材の床にしたい、浴室を広くしたいなど、希望をすべてリストアップし、それぞれの重要度を評価します。家族が毎日集まるリビングや、使い勝手に直結するキッチンの設備にはしっかり予算を割く一方で、普段あまり使わない客間や収納の内装はシンプルなものにするなど、お金をかける場所とそうでない場所を分けます。
このようにメリハリをつけることで、満足度を下げずに全体の総額を抑えやすくなります。
ライフスタイルに欠かせないポイントを見定めることで、適切な予算の配分が実現できる可能性が高まります。
水回り設備や内装材のグレードを見直すポイント
キッチン、浴室、トイレといった水回り設備は、リノベーション費用の中でも大きな割合を占めます。
これらの設備をハイグレードなモデルからスタンダードなモデルに変更するだけで、数十万円単位のコストダウンに繋がることがあります。
最新の機能が多数搭載された最上位機種は魅力的ですが、実際に生活を始めてみると使わない機能も少なくありません。
本当に必要な機能を備えた中級グレードの製品を選ぶことも、賢いコストコントロールにつながります。
また、床材や壁紙などの内装材についても、すべてを高価な自然素材にするのではなく、水や汚れに強い塩化ビニル製の素材などを適材適所で取り入れることで、費用を抑えつつメンテナンス性を高めることができます。
ショールームで実物を見て、機能と価格のバランスを冷静に比較することが重要です。
国や自治体の補助金や減税制度を賢く活用する手順
リノベーションの費用負担を減らすために、国や自治体が用意している補助金制度や減税制度を積極的に活用しましょう。
とくに、省エネ性能を高めるための断熱工事や、エコキュートなどの高効率給湯器の設置、バリアフリーを目的とした改修などは、補助金の対象になりやすい工事です。
また、一定の要件を満たすリノベーションを行った場合、所得税の控除や固定資産税の減額といった優遇措置を受けられることもあります。
ただし、これらの制度は工事を着工する前に申請が必要なケースが大半です。
予算の枠が埋まると受付が終了してしまう制度もあるため、リノベーションの計画段階から、利用できる補助金がないかを施工会社に相談して確認しておくことが大切です。
早めに情報収集を行い、要件を満たす設計を依頼することが申請をスムーズに進めるコツです。
参考:住宅:住宅リフォームの支援制度 ※令和7年6月2日時点 – 国土交通省
参考:給湯省エネ2026事業(令和7年度補正予算「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」)について|資源エネルギー庁
参考:住宅:住宅をリフォームした場合に使える減税制度について – 国土交通省
フルリノベーションの進め方

費用の目安や予算を抑えるコツを把握した後は、実際の計画へと移ります。
理想の住まいを完成させるためには、正しい手順を理解しておくことが欠かせません。
とくに、フルリノベーション費用には工事そのものの代金だけでなく、それに付随するさまざまな費用が含まれるため、全体の流れを見据えた準備が重要です。
ここでは、失敗を防ぐための進め方と注意点を以下の表にまとめ、それぞれの段階ごとに詳しく解説していきます。
| 順番 | 進め方のステップ | 具体的な注意点 |
| 1 | 事前の状況確認 | 管理規約や建物の構造上の制限をしっかりと把握します |
| 2 | 依頼業者の選定 | 解体後の変更コストも想定できる実績豊富な企業を選びます |
| 3 | 全体の資金計画 | 工事期間中の現在の家賃(ローン)や引越しにかかる費用も含めて予算を計算します |
マンションの管理規約と建物の構造確認
フルリノベーションの計画は、建物の構造や規約の確認から始まります。
とくにマンションの場合は、管理規約によって工事ができる範囲や使用できる床材などが厳しく制限されていることが少なくありません。事前に規約を確認せずに計画を進めると、後からプランの変更を余儀なくされる可能性があります。
また戸建ての場合も、抜くことのできない柱や耐力壁が存在するため、図面だけでは判断できない構造上の制約を把握しておくことが大切です。まずは専門家と一緒に物件の状況を正確に確認して、実現可能な工事の範囲を見極めていきます。
解体後の想定外に備えられる業者選び
建物の内部を解体して初めて、正確な寸法や隠れた劣化状況が判明することは珍しくありません。 図面と実際の寸法が異なっていたり、見えない部分で腐食が進んでいたりすると、設計の変更や追加の工事が必要になります。
そのため、フルリノベーション費用を見積もる際は、このような想定外の事態や追加コストをあらかじめ考慮して提案してくれる業者を選ぶことが重要です。
経験豊富なリノベーション会社であれば、過去の事例をもとにリスクを含めた資金計画を立ててくれます。複数の会社を比較して、柔軟に対応できるパートナーを見つけます。
二重家賃(ローン)や引っ越しなどの諸費用を含めた資金計画
中古物件を購入してフルリノベーションする場合、数ヶ月にわたる工事期間中は現在の住まいで生活を続けることになります。そのため、現在の住まいが賃貸であればその間の家賃と、購入した物件の住宅ローンの支払いが重なる「二重支払い」の期間が発生することがあります。
工事費そのものだけでなく、この期間の家賃や、新居への引っ越し費用なども資金計画に組み込んでおくことをおすすめします。
これらの諸費用を見落としてしまうと、後から予算が足りなくなるおそれがあります。
全体のフルリノベーション費用を正確に把握するには、設計費や諸費用、生活にかかるコストまで含めたトータル予算を早い段階で算出することが大切です。
まとめ
この記事の要点をまとめます。
- フルリノベーション費用の目安はマンションで600万円から1,500万円程度です
- 戸建ての費用相場は外装工事なども含まれるため1,000万円から2,000万円程度となります
- 費用は施工面積の広さや構造体の劣化状況によって大きく変動します
- 予算を抑えるには工事の優先順位を明確にして設備のグレードを見直すことが重要です
- 計画を進める際は、事前の規約確認や二重家賃・引っ越し費用などの諸経費を含めた全体の資金計画が重要です
この記事で紹介した相場や予算を抑えるコツを参考に、理想の住まいづくりに向けた具体的な計画を進めてみてください。
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